地上デジタルの7月移行は、予想していた通り、全国での受像器のデジタルへの移行が予定通り進んでいないために、延期される見込みのようだが、今回の震災で東北地方の地上デジタルへの移行はあり得ないと断言できる。
この機会にデジタル放送への完全移行が本当に必要かを見直す意味でも、政府は地上デジタルへの移行を一度白紙に戻して欲しい。地上デジタルへの完全移行をすべきでない理由は以下、
1.地上デジタル放送では東京地域では約2秒、その他の地域では約3秒の遅れがある。これは、今後1年は余震が続くと想定される現実下、地震速報が実際の地震の後に来るという大きな社会的なリスクとなる。私自身、東京で「まもなく地震が来ます」というテレビの緊急アナウンスが揺れの後に来た体験をしたのでリアルな話である。2秒から3秒の遅れは国民の生命の危険を考えて致命的である。もちろん、地震のリスクは1年後移行も続くのであり、遅延のないデジタル放送方式に変更しない限りは、現行のアナログ波は停波すべきでない。
2.現行のアナログテレビ周波数が利用しているFM周波数帯をアナログ波停波後にどのような形で利用する予定であるかの説得力のある説明が国民に一切なされていない。最低でも、国民すべてを2秒から3秒の遅延のリスクをさらすからには、よほどの大きな国民全体に対するメリットがなければ、アナログ周波数帯を空ける論理にはならない。そのような必要性は未だに国民に説明されていない。
地上デジタル放送の遅延の問題は、私自身は2000年頃から、総務省自身に対しても再三指摘してきた。2004年からは、KeyHoleTVを実運用し、全世界に無償配布することにより、遅延のないエンコーディングはデジタルでも可能なことは示してきた。にも関わらず旧政権は、強行に、遅延がアルゴリズムそのものに内因的であり、解決不能なMPEG2アルゴリズムを採用し、地上デジタル放送への移行を強行してきた。
今回の地震では、この旧政権の政策は、全く誤っていたことが証明された。新政権は、このような間違った政策は白紙に戻し、アナログ波の停止は無期延期にすべきである。アナログ波を停止していいのは、地上デジタル放送のエンコード方式を遅延のないものに変更して、それが全国に普及してからである。これには今から手をつけても最低でも数年はかかると推定される。
これは技術の問題であるので、しっかり国民に理解して欲しいのだが、現在の地上デジタル放送で利用されているMPEG2アルゴリズムを利用し続ける限りは、放送局にどんなに投資をさせても、また、テレビの受像器をいくら高級なものにかえても2秒から3秒の遅延をなくすことは出来ない。つまり、現行の地上デジタル放送では、今後も遅延は大きくなることはあっても短くなることはない。大きくなる可能性があるのは、高画質化や双方向性などの追加仕様でさらにデータ量が増える可能性があるからだ。つまり、現行の地上デジタル放送の方式そのものを変えるしか解決方法はない。これには数年はかかる。こうなる前にと、この問題を10年間に渡って、総務省、旧政権関係者など当事者に、直接、間接、また、複数の著書でも指摘してきたのに、事実上無視されてきたのは誠に遺憾である。
もちろん、私も米国の研究開発パートナーも政府からの要請があれば、KeyHoleTVで利用されている遅延のないデジタル放送のエンコード技術の技術供与はいつでも協力するつもりだ。また、NHK技研や各電話事業会社の基礎研究所など、政府の要請があれば、遅延のないアルゴリズムを開発できる研究者達は日本にもいる。KeyHoleTVのアルゴリズムを参考に彼らがアルゴリズムを研究開発するのでも構わない。ただ、放送となるとアルゴリズム開発以外にも色々な技術開発が必要となる。これらについての技術供与も全面協力する。とにかく、MPEG2方式をやめ、遅延のない方式にしない限りは、地上デジタル放送に完全移行すべきではない。
以下、事情に詳しい人用のおまけ、
地上波デジタルの遅延の話をすると必ず、総務省が「緊急地震速報」の伝送用に、社団法人電波産業会(ARIB)と社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)と進めてきた「文字スーパー(非同期字幕)」、「データ放送のイベントメッセージ」、「AC(Auxiliary Channel)による伝送」の3つでの伝送路の検討と、特に「ACによる伝送」での遅延が少い「緊急地震速報」の話を出してくる人がいる。
http://www.nhk.or.jp/bousai/quick.html はその例。気象庁が地震速報を出すと、4秒間のテレビ内蔵のチャィムと7秒間の緊急地震速報という赤い帯がACによる伝送でやってきてほとんど遅延なく出るというもの。今回の地震で実際にこれを目にして役に立ったひとはどれだけいたのか疑問。これは少なくとも私が見ていたNHKの地上波デジタルでは全く役に立たなかった。私に役に立ったのは、アナウンサーの「間もなく地震が来ます」という音声による案内。ただこれはしっかり私の受像機では2.5秒遅れて来た。
「ACによる伝送」のチャイムをもって、地上波デジタルの遅延は解決されたかの用なことを言う人がいるのは論外。気象庁からの「緊急地震速報」の文字とチャイムだけなら携帯電話の非常メッセージと変わらない。アナウンサーが顔を出して言語で遅延なく伝えるからテレビメディアの緊急情報としての価値がある。大体、遅延ない情報が必要な有事情報は、気象庁からの緊急チャイムだけではない。緊急チャイムは、P波がきたら、すぐに、チャイムを鳴らして緊急地震速報などの文字列を携帯やテレビに強制的に表示することによってS波に備えるというものだけど、これは上に書いたように私には役に立たなかった。役にたったのは、茨城や宮城で大きな揺れがあったときに、NHKのアナウンサーがこれを言葉で伝えてくれて、数秒後に東京が揺れるのに身構える余裕ができたから。これはS波そのものの伝来なので、チャイムはなっていない。こういった有事情報は、どんな情報が有用かはその有事の内容によって異なり、チャイムを別経路で鳴らすのでは全く不足で、実際に遅延のない放送をするしかない。チャイムを遅延なく鳴らせばアナログ波を停波してもいいという論理はあまりにも乱暴で、国民の命を軽視し過ぎている。
----
新作DVD発売中
http://www.maxpec.net/tomabechi_dvd/
苫米地英人ケータイ公式サイト http://dr-tomabechi.jp/
ブログ http://www.tomabechi.jp/
ツィッター http://twitter.jp/drtomabechi/
夢が勝手にかなう手帳 for iPhone http://itunes.apple.com/jp/app/id413223683?mt=8
クラブ苫米地 http://www.club-tomabechi.jp
Facebook http://Facebook.com/drtomabechi
この機会にデジタル放送への完全移行が本当に必要かを見直す意味でも、政府は地上デジタルへの移行を一度白紙に戻して欲しい。地上デジタルへの完全移行をすべきでない理由は以下、
1.地上デジタル放送では東京地域では約2秒、その他の地域では約3秒の遅れがある。これは、今後1年は余震が続くと想定される現実下、地震速報が実際の地震の後に来るという大きな社会的なリスクとなる。私自身、東京で「まもなく地震が来ます」というテレビの緊急アナウンスが揺れの後に来た体験をしたのでリアルな話である。2秒から3秒の遅れは国民の生命の危険を考えて致命的である。もちろん、地震のリスクは1年後移行も続くのであり、遅延のないデジタル放送方式に変更しない限りは、現行のアナログ波は停波すべきでない。
2.現行のアナログテレビ周波数が利用しているFM周波数帯をアナログ波停波後にどのような形で利用する予定であるかの説得力のある説明が国民に一切なされていない。最低でも、国民すべてを2秒から3秒の遅延のリスクをさらすからには、よほどの大きな国民全体に対するメリットがなければ、アナログ周波数帯を空ける論理にはならない。そのような必要性は未だに国民に説明されていない。
地上デジタル放送の遅延の問題は、私自身は2000年頃から、総務省自身に対しても再三指摘してきた。2004年からは、KeyHoleTVを実運用し、全世界に無償配布することにより、遅延のないエンコーディングはデジタルでも可能なことは示してきた。にも関わらず旧政権は、強行に、遅延がアルゴリズムそのものに内因的であり、解決不能なMPEG2アルゴリズムを採用し、地上デジタル放送への移行を強行してきた。
今回の地震では、この旧政権の政策は、全く誤っていたことが証明された。新政権は、このような間違った政策は白紙に戻し、アナログ波の停止は無期延期にすべきである。アナログ波を停止していいのは、地上デジタル放送のエンコード方式を遅延のないものに変更して、それが全国に普及してからである。これには今から手をつけても最低でも数年はかかると推定される。
これは技術の問題であるので、しっかり国民に理解して欲しいのだが、現在の地上デジタル放送で利用されているMPEG2アルゴリズムを利用し続ける限りは、放送局にどんなに投資をさせても、また、テレビの受像器をいくら高級なものにかえても2秒から3秒の遅延をなくすことは出来ない。つまり、現行の地上デジタル放送では、今後も遅延は大きくなることはあっても短くなることはない。大きくなる可能性があるのは、高画質化や双方向性などの追加仕様でさらにデータ量が増える可能性があるからだ。つまり、現行の地上デジタル放送の方式そのものを変えるしか解決方法はない。これには数年はかかる。こうなる前にと、この問題を10年間に渡って、総務省、旧政権関係者など当事者に、直接、間接、また、複数の著書でも指摘してきたのに、事実上無視されてきたのは誠に遺憾である。
もちろん、私も米国の研究開発パートナーも政府からの要請があれば、KeyHoleTVで利用されている遅延のないデジタル放送のエンコード技術の技術供与はいつでも協力するつもりだ。また、NHK技研や各電話事業会社の基礎研究所など、政府の要請があれば、遅延のないアルゴリズムを開発できる研究者達は日本にもいる。KeyHoleTVのアルゴリズムを参考に彼らがアルゴリズムを研究開発するのでも構わない。ただ、放送となるとアルゴリズム開発以外にも色々な技術開発が必要となる。これらについての技術供与も全面協力する。とにかく、MPEG2方式をやめ、遅延のない方式にしない限りは、地上デジタル放送に完全移行すべきではない。
以下、事情に詳しい人用のおまけ、
地上波デジタルの遅延の話をすると必ず、総務省が「緊急地震速報」の伝送用に、社団法人電波産業会(ARIB)と社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)と進めてきた「文字スーパー(非同期字幕)」、「データ放送のイベントメッセージ」、「AC(Auxiliary Channel)による伝送」の3つでの伝送路の検討と、特に「ACによる伝送」での遅延が少い「緊急地震速報」の話を出してくる人がいる。
http://www.nhk.or.jp/bousai/quick.html はその例。気象庁が地震速報を出すと、4秒間のテレビ内蔵のチャィムと7秒間の緊急地震速報という赤い帯がACによる伝送でやってきてほとんど遅延なく出るというもの。今回の地震で実際にこれを目にして役に立ったひとはどれだけいたのか疑問。これは少なくとも私が見ていたNHKの地上波デジタルでは全く役に立たなかった。私に役に立ったのは、アナウンサーの「間もなく地震が来ます」という音声による案内。ただこれはしっかり私の受像機では2.5秒遅れて来た。
「ACによる伝送」のチャイムをもって、地上波デジタルの遅延は解決されたかの用なことを言う人がいるのは論外。気象庁からの「緊急地震速報」の文字とチャイムだけなら携帯電話の非常メッセージと変わらない。アナウンサーが顔を出して言語で遅延なく伝えるからテレビメディアの緊急情報としての価値がある。大体、遅延ない情報が必要な有事情報は、気象庁からの緊急チャイムだけではない。緊急チャイムは、P波がきたら、すぐに、チャイムを鳴らして緊急地震速報などの文字列を携帯やテレビに強制的に表示することによってS波に備えるというものだけど、これは上に書いたように私には役に立たなかった。役にたったのは、茨城や宮城で大きな揺れがあったときに、NHKのアナウンサーがこれを言葉で伝えてくれて、数秒後に東京が揺れるのに身構える余裕ができたから。これはS波そのものの伝来なので、チャイムはなっていない。こういった有事情報は、どんな情報が有用かはその有事の内容によって異なり、チャイムを別経路で鳴らすのでは全く不足で、実際に遅延のない放送をするしかない。チャイムを遅延なく鳴らせばアナログ波を停波してもいいという論理はあまりにも乱暴で、国民の命を軽視し過ぎている。
----
新作DVD発売中
http://www.maxpec.net/tomabechi_dvd/
苫米地英人ケータイ公式サイト http://dr-tomabechi.jp/
ブログ http://www.tomabechi.jp/
ツィッター http://twitter.jp/drtomabechi/
夢が勝手にかなう手帳 for iPhone http://itunes.apple.com/jp/app/id413223683?mt=8
クラブ苫米地 http://www.club-tomabechi.jp
Facebook http://Facebook.com/drtomabechi
































