長野の宗教法人、女性リンチ死容疑で捜索…21人に逮捕状 ということだが、この「紀元会」という宗教法人、「紀元水」という水を売り、教祖がベンツやロールスロイスのリムジンを何台も乗り回して、というところは、どこかの教団を連想させるが、私のところに頻繁に来る色々な宗教からの脱洗脳依頼の事例から言って、死まで至らないにしても、このような事件は日本では日常茶飯事だ。21人に逮捕状というところまで持ち込むまでは、長野県警はかなり慎重に裏付け調査をしてきたに違いない。それほどまでに日本は宗教法人に警察が介入するのが難しい国に、いつの間にか、なってしまった。

なぜ、集団ヒステリーのように大の大人が集団暴行に至るのか、そして、紀元水のような水で実際に治癒が起こり、この人たちの信仰心を煽るのかといったことは、「洗脳」の基本的なカラクリが分からないと理解できない。『洗脳原論』以降、色々な著書に書いてきたつもりだが、狂信ともいえる集団心理とその裏にある教祖への強烈なラポールは、「洗脳」の必然的な結果である。また、強い臨場感があれば、異常ともいえるプラセボ(偽薬)効果がただの水にも起きるのである。プラセボはもともと全ての内科薬効にも必ずついて回るものであり、これは製薬会社等での最新のデータでも確認されている。これらは、その信じている宗教の教義や修行の良し悪しとは何の関係もない。洗脳技術があれば、どんな悪徳教祖にも簡単に引き起こせるのである。 もちろん、全ての宗教は本質的には洗脳から切り離せない。社会的なものが宗教と呼ばれ、反社会的なものをカルトと呼ぶだけだ。 社会的には、「紀元会」は、今日から宗教ではなく、カルトと呼ばれるに存在に変わったのだ。もちろん、内容はもともとカルトであったということだ。