丹下健三氏が亡くなった。丹下健三氏といえば、 総工費1569 億円という当時では最高額レベルの建築物として、話題を呼んだ東京都庁と、今話題のフジテレビのお台場の本社ビルの設計が特に有名だ。都庁は、お墓にしか使われない御影石を外壁に使ったのでも名をはせた。スペインなどでも御影石のビルをみて、なんじゃと思ったら、丹下健三氏の設計であったということもあった。実際、都庁の御影石もスペイン産のものをイタリアの超高級加工会社で加工したという話。御影石は国産でも産出量は豊富で品質はいいが、何故か輸入石材が使われた。実際、都庁建設の折には、その御影石の出所をめぐって、いろいろな情報が飛び交った。一つは、原価と価格との違い、そしてもう一つは、妻の会社をめぐる話。老年の丹下健三氏を支えた年の離れた妻の会社と御影石との関係について調べるべきだということだけを書いておこう。

十数年前のゼネコン汚職の折りも丹下健三氏の周囲が調査報道の対象になったのも事実。そのため、フジサンケイが出した世界文化賞を受賞した折にも、他社の取材に囲まれたことも記憶に新しい。その丹下健三氏が設計したお台場のフジテレビ本社は、建築当初から旧体制の遺物という負の側面を抱えた建物であったと言えるだろう。ある意味、今日のフジテレビの狼狽ぶりは、あらかじめ約束されたものであったと言えるかもしれない。それどころか、日本がだめになったのは、あの東京都庁墓石ビルのせいかもしれない。

少なくとも、都庁ビルは、私がかつて三菱地所時代に買収に関わったロックフェラーセンタービルと比べるとかなり醜悪だ。

追伸: 堀江社長に攻めまくられたフジテレビ日枝会長だか、今日の記者会見には顔を出していない。体の調子でも悪いのだろうか?